「花蓮、けが、大丈夫か」 奏太さんが、丸椅子に腰かけた。 後ろにいた皆が、そっと部屋を出て行くのが見えた。 「…うん、平気」 私が言うと、奏太さんが私の頬をぐにっとつねる。 「ふぎゃっ!な、なにをっ」 「今、嘘ついただろ」 「お、お互い様でしょー!」 少し、沈黙が流れた。 それから奏太さんが口を開いた。