ツン、とした消毒液のにおい。




 ここはどこなんだろう。





 目を閉じたままじゃ、何もわからない。





 目を開けたいけど、開けれない。





「…蓮、花蓮!」




 名前を呼ばれた。




 この声は…低いアルト声。




 春風のように温かな声。






 …大好きな声。