【完】三つ子のヤクザと狼娘 巻ノ参







「暴走したら、七帆の思うつぼだろ」





 …!!




 私は奏太さんを見上げた。



 唇の端から血が、つぅー、と流れる。






「…なんで…なんで止めたの…!?」





 謝りたかったのに、口をついて出た言葉はそれだった。





「花蓮、お前の手は絶対によごさせねぇ!」






 奏太さんが、苦痛で顔を歪めながらそう言った。