「暴走したら、七帆の思うつぼだろ」 …!! 私は奏太さんを見上げた。 唇の端から血が、つぅー、と流れる。 「…なんで…なんで止めたの…!?」 謝りたかったのに、口をついて出た言葉はそれだった。 「花蓮、お前の手は絶対によごさせねぇ!」 奏太さんが、苦痛で顔を歪めながらそう言った。