「どういうことだ」 「一か所は乱舞のアジトより三十キロ東に行った先にある、廃屋の工場。もう一か所は、乱舞のアジト」 私は龍太さんに聞いた通りに告げた。 「乱舞が解散したあと、そのアジトを拷問や下っ端の修行に使わせてるんだそうです。龍太さんたちは乱舞のアジトで待ってるって…」 私が言った途端、奏太さんがハンドルを急に切った。 「それ先に言え!」 奏太さんが怒鳴る。 「えぇぇぇぇっ!?」 「オマエが工場の方、先に言うから、道変えちゃったじゃねェかよ!」