さっきまで曇っていた空には 真っ赤な月が浮かんでいた。 朱い月って 不吉の象徴なんだよね。 不安が私の心に住み着いた。 一度巣食った不安って なかなか消えてくれないんだよね。 怖くて怖くて 震えていたら 奏太さんが私の頭を撫でて 「大丈夫」 そう呟いた。