お父さんがいなくなってから、お母さんの目が、私のせいだと見ているような気がして苦しくなって、夜の町をふらふらすることが多くなっていた。
私が夜出歩き始めたことは誰も知らない。


お母さんがお父さんの代わりに、車屋の仕事をしだして1週間がたったころ、お母さんが私が夜いないことに気づき始めた。


「舞、最近また義之と夜に会い始めたの?」

夜いないのは義之の家に行ってると思ってか、そんな質問をしてきた。

「なんで?」

「最近夜いないことに気付いてさ。もし義之のとこじゃなくて、ふらふらしてるだけなら危ないからやめなさい。」


今まで私が寂しい、怖いって思っていても、毎日居なかったお母さんがいきなり、心配しだすから何故かそれが無性に頭にきて、私は言ってはいけないことを…

「なにいきなり親面して…
私のせいでお父さんが死んだって目で見てきてたくせに…
あんたなんか私が寂しい、つらい、怖い、そばにいてほしいって思ってた時に、仕事行って親としてのことしてこなかったくせに、今さら親面しないでよっ」


言ってしまった…。
お父さんがいない分、お母さんが頑張って来ていたのもわかってる。
お母さんが私のせいだと言ったこともないのに…。
お母さんに酷いことを言ってしまった。

「舞…」


お母さんが何か言おうとした時に私は外に飛び出した。
ただひたすら走っていたら、あの日お父さんがいなくなった場所に着いていた。
涙が流れるのがわかった。


「…ごめんなさいっ…お父さん…」

私はその場で座り込んでしまった。