私とお母さんとの過去。


あれは小学校4年生の時…。


私は義之と学校から帰宅していた時だった。
いつもと変わらない日常、ただ今日は違う気がしていた。
なにか違う…義之がいつもより明るい。
なんでだろう…なにか違う気がする。
常に明るいけど、何か隠してるときの明るさみたいに感じるのは気のせいかな…。


「なぁ…今日って何の日だか知ってる?」

「なに?わかんない」

いきなり質問してきたけど、なにもわからなかったから、質問を返した。

「結婚記念日だよ。舞の親と、俺の親の」

「そうなの?よく義之は知ってるね」

「今日の朝に母さんが言ってたんだよ」

「そうなんだ」

「だからさ、俺たちで何かプレゼントしてやらない?」

「プレゼントってなにを?」

「んーやっぱ花束とか?」

「花束かぁ…いいんじゃない?」

「じゃあ、家に着いたら急いで俺の家に集合な」

「わかった」


この時は何も考えずに、お母さんたちが喜ぶかなって思っていた。
子供なりの考えであって、お母さんたちの喜ぶ顔が見たいために急いだ。



家に着くなり、急いで自分の部屋に行きお小遣いを持って、義之のとこに走る。
義之の家は隣だから、時間かからずに着く。


「よーしーゆーきー」


私は義之の家の前で名前を叫ぶ。
義之は勢い良く家から出てくる。


「舞…いきなり大きい声を出すなよ。ビックリして階段で転けそうになっただろ」

「ごめん。けど早くしないとお母さんたち帰ってきちゃうよ。ほら、早く鍵閉めて行くよ」

「そうだなっ」

私たちはちょっと離れた隣町に急ぐ。