そう考えながら、リビングに向かうと、既に朝からご飯をおかわりしてる義之が見えた。


「義之はホント朝から元気だね。その笑顔を見てると、おばちゃんも仕事頑張れちゃうよ」


私のお母さんはお茶碗にご飯を盛りながら、ニコニコ笑いながら義之に話しかけてる。
そんな顔を見れるようになったのは最近で、2年前までは見れなかった。


小さい頃はしょっちゅう見てたけど…。
笑顔が戻ったのは義之のおかげかな…。


「だって、おばさんの飯は最高に美味いからさっ。あ…やっと降りてきたの?」


私に気付いた義之は早く来いと、自分の隣の椅子をバシバシ叩いてる。


ホント朝からうるさいやつ…
朝から勘弁してよ…
んな、眩しい笑顔をしながら見ないで…


うるさいのを止ますために急いで椅子に座った。


「お母さん、おはよ。」

「おはよ。義之に負けないくらい朝からあんたにも元気があればねー。ホント朝苦手なのはお父さんに似たね。笑ってるほうがあんたは可愛いのに」


ケラケラ笑いながらも、どこか切なそうに見える、お母さんを見て私は胸がギュッて苦しくなった。


「しょーがないじゃん。お父さんの子供なんだから」

「まぁ、そうね。さっ、早くあんたもご飯食べちゃいな。新学期初日に遅刻するよ」


お母さんはそう言って、義之にご飯を渡しながら、私のお茶碗を空いてる手で取り、ご飯を乗せている。
私はお父さんの話をされると、辛くなって、冷たい態度で返してしまう。



あの時を思い出すだけでお母さんの笑顔を奪ってしまった…って罪悪感が募る。