私が昔のことを思い出してる間にいつの間にか学校に行く時間になっていた。


「舞?早くしろよー」

「あーごめん」

「ほら、あんたたち早くしないと遅刻するよ」



あれからのお母さんは男らしい。
私がいけないことをすればお父さんみたいにすごい剣幕で怒る。
お父さんがいない分1人で2役を頑張ってる気がする。


「ってゆーかさぁ、なんで義之と行かなきゃいけないのさ」

「別に同じ高校なんだから一緒に行ったっていいだろ」

「嫌だよ。バカと一緒になんて行きたくない」

「なにーっ。バカとはなんだよっ。そんなに一緒に行きたくなきゃ、朝起こしに来てやんないぞ」

「起こしに来てなんて頼んだ覚えないよ。」

「あっそーですか。じゃあ、明日から頑張って1人で起きてください」

私たちが言い合いをしていると、ため息をつきながら、お母さんが近寄ってくる。

「あんたたち何を朝から喧嘩してんの。舞も義之のおかげで起きれたんだから、そんな可愛いげないこと言うんじゃないわよ。ほら、さっさとご飯食べて学校行きなさい。じゃないと2人揃って遅刻するよ」

お母さんは私たちに時計を見るように最後に付けたしして言ってくるから、チラッと見るとすでに学校に向かってなきゃいけない時間だった。

「やばっ。義之っ早く行くよ」

私が急いで支度し始めると義之が時計を見て急ぎだした。

「舞チャリは?」

「裏庭に置いてある」

「取ってくるからカバン宜しく」

そう言って、義之は走って玄関へ行き出ていった。
カバンを持って玄関に向かおうとしたら、お母さんが近寄ってきて2人分のお弁当を渡してきた。
急いでカバンの中に入れて、靴を履いて出ると既に義之は自転車に股がって待っていた。

「遅い。早く後ろに乗れよ」

そう言って私を急かした。
義之のカバンはかごに入れ、自分のカバンは肩にしょい、自転車の荷台に股がった。
お母さんが玄関から出てきて

「事故らないように気を付けなさいよ」

「はーいっ!行ってきまーす」

そう言い終わる前に義之は急いでこぎ始めた。