まだ先輩と一緒か?
まさか先輩の家に…?
よくない想像だけが大きくなる。
ななが居そうな所は
片っ端から行ってみた。
ななのお気に入りの公園にも、
雑貨屋にもいない。
家にも帰ってない。
「なな…」
俺の口は
さっきからこれしか言ってない。
太陽が沈みかけて
暗くなった頃。
走り疲れて
ますます気が弱くなる。
俺のせいでななが…
やべぇ
涙が出そうだ。
必死に涙を堪えて
もう一度
ななが行きそうな場所を
回ることにする。
公園、いない。
次は雑貨屋…
と、公園と雑貨屋を結ぶ
道にある俺のアパート。
素通りしかけて
立ち止まった。
ここに、いつものように
なながいてくれたら…