とぼとぼ歩くわたしの 足は自然と ある場所へと向かった。 古いアパート。 薄暗くて、ちょっと怖い。 怖がりのわたしだけど この場所は怖くない。 むしろほっとする。 ピンポーン ガチャ 玄関のドアが開いたと同時に 「また傷つけられたのかよ」 呆れた顔がひょこっと 顔を出して言った。 でもその瞳は優しい目を わたしに向けていて、 「俊太ぁーっ」 わたしは大声で言って 幼なじみ、 上杉俊太に抱きついた。