「おーい、森下?大丈夫かぁ」
「はい?」
先生の声にはっとして
キョロキョロする。
みんな起立して
わたしに注目していた。
なに…?
わたしが首を傾げると
「森下、早く帰りの号令」
隣の男の子が笑いつつ言った。
朝、授業開始終了、帰りの号令は
クラス委員長の
わたしの仕事の一つ。
ああ…そっか。
って、授業の開始の
号令は無意識にしてたみたい。
すごいな、わたし。
「起立、」
いつものクセで言ったけど
もうみんな立ってる。
わたしも急いで
立ち上がった。
「姿勢、礼」
わたしが言うと
『さようなら』
口々にみんなそう言って
鞄を持ち教室を出ていく。
恥ずかしかった…