放課後…ななside…


俊太に消しゴムを返そうと
廊下に出たら、
人にぶつかっちゃった。


その人は優しく
わたしを気遣ってくれた。

スラッと背が高くて
爽やかな雰囲気の人。


かっこいい…



“大島”
と書かれたネームの色は3年生。


「ご、ごめんなさい…」

わたしが謝ると
大島先輩はにっこり笑って

「いいよ、気にしないで。
これも何かの縁だよ。

2年生?
今度ゆっくり話でもしよう」

そう言って去っていった。

今度ゆっくり…?


なんか嬉しい…


ぼーっと大島先輩の後ろ姿を
見つめていたら


「キザなやつだな」

すぐ隣に俊太がいて、
ぼそっと独り言のように言った。


「そんなことないっ」

わたしが言い終わらないうちに
俊太はわたしを無視して
教室に入っていった。


もうっ!

すぐにそうやって無視する。

学校じゃ話しちゃだめって
ほんと、変な決まりだよ。