黒板を丁寧に消してるなな。
いつも詩織が手伝ってるはず。
でも詩織はいないみたいだ。
トイレか?
まったく詩織は…
黒板消してから行けっつの。
むっとして
ななを見つめる俺にお構いなく
「なぁなぁ、聞いてくれよっ」
と元気に俺に話しかけるのは
矢野淳。
1年の時から同じクラスで
結構いいやつだ。
でも今は
俺、イライラしてんだ。
「おい、俊太ー!
おいってばー!」
俺の肩を揺する淳。
でも、俺は答えずに
高い所に手が届かずに
ぴょんぴょんしてるななを見ていた。
あんなの…反則だ。
「悪ぃ、トイレ」
居たたまれなくなった俺は
淳にそれだけ言って
足速にななに近づいていった。
「あ…」
何も言わずに
黒板消しを奪った俺を
ななはびっくりして見ているけど
俺は無言で残りの黒板を消した。

