ななの視線を感じるけど

無視していたら、
床に転がった俺の消しゴムを
ななが拾って…
自分のポケットに入れた。


あ…あいつー!



キーンコーンカーン…


ガタガタ…

授業が終わったと同時に
思い思いに騒ぎだす皆。

すぐにななに文句を
言いに行きたいが教室では無理だ。


ななは、クラス委員長だから
一人で黒板を消してる。


手伝ってやりてぇ…

けど。


俺がななと話すと
厄介なことになる。

俺の顔だけ見て
好きなのーとか
言ってくる女が
中学に入った頃から急に増えた。


女の嫉妬はこわい。

俺とななが仲良くしてると
調子に乗るなと
ななの悪口が飛びかった。

当の本人は
全く悪口には
気づいていなかったようだが。