辛ぇよ、そりゃ…俊太side…


はぁ…だるい。眠い。

太陽がぽかぽかするし、満腹だし。

昼ご飯後の授業は
とにかく眠い。


大きなあくびをして

ふと斜め前のななを見ると
頭がこっくりこっくりなっている。


頑張って起きようとしているのか
しきりに目を擦ったり
頭をぷるぷる犬みたいに振ったりしている。


あんな可愛い仕草して…
馬鹿か。


またファンを増やす気か?

無自覚だけど、ななはモテてる。

俺はさりげなく教室内を見渡した。

幸い、今ななのことを見ているやつは
いないみたいだ。

よかった……

って俺、なんか…かっこ悪っ!


でも好きなんだから
しょうがない…


ななの目を覚ましてやろうと

手元にあった消しゴムを

えい、と
ななの頭に向けて投げた。


ポコン

消しゴムは
ななの頭に見事命中。


「いた…」

ななは小さく言って
頭を抑えて振り返った。


俺は知らんぷりして
ノートをとってるふりをした。