その時。 バンッ いいムードの漂う部屋に ドアの開く大きな音が響いて。 「拓也っ! やっぱり浮気してたの? ひどいっ」 女の人のキーキー喚く声が 聞こえたかと思うと わたしの視界の端に 派手な服、 傷んだ金髪の女の人が見えた。 え、誰…? 「かな! ごめん、まじごめん!」 拓也が謝っている…なぜ? 状況の掴めていない わたしとは対照的に 拓也はわたしから さっと離れて、かなとかいう人のもとに駆け寄った。 それはもう、一瞬の出来事。