「あんなやつ、別れたほうが
いいに決まってますよ」
拓也はまた肩を抱こうと
してくるかもしれない。
そこはまたさりげなく回避。
「そうですよね。
あの、お名前伺っても…?」
「拓也です」
拓也がキザに答える。
「拓也さん、
今度、お礼させて下さい。
日曜日、お暇ですか?」
詩織がにっこり笑うと
「まぁ…暇ですけど?」
拓也は嬉しいくせに
かっこつけてぶっきらぼうになる。
「じゃあ、日曜日18時に
からからおけおけの前で。
おいしいパスタのお店があるんです。
ご馳走しますね」
じゃあ、また、と詩織は
手を振り去っていくのだった。