「いらっしゃいませ」
そう言った店員は
どんぴしゃ、拓也だった。
緊張……
「ご利用時間はどうされます……か」
ばっちり目があっちゃって
絶対わたしだって気づいた。
さっと目をそらしたけど
たぶん目が泳いでるわたし。
「なな、だよな…」
拓也がわたしにそう言った直後、
「詩織、2時間でいい?」
え?詩織?
俊太がわたしを詩織と呼んだ。
詩織はわたしの親友だよ?
えーっと、えーっと、
パニックパニックパニック
拓也が目の前にいて
ななだよなと言っていて
俊太が隣にいて
詩織2時間でいい、はてな付き、
と言っていて……
あほな頭の整理。
うう…混乱。
俊太を見上げたら
きゅっと腰を引き寄せられた。
拓也を見ると、
あれ?という顔で瞬きが多くなってた。
「機種とかなんでもいいんで」
いたって冷静、俊太。
「に、2階の…206へどうぞ…」
たぶん、はてなだらけの拓也。
と、わたし。

