「なな…」 わたしが映画の世界に どっぷり入り込み、 キャシーに 憧れの眼差しを向けていた時。 隣に座る拓也が わたしをそっと抱き寄せて 名前を呼んだ。 そうよ、わたしには 拓也がいて。 キャシーに負けないくらい 幸せ。 「拓也…」 わたしも拓也の背中に手を回すと 拓也が、ふっと微笑んで。 ゆっくり顔が近づいてくる。 きっと、拓也が わたしの運命の人。 今日こそは 拓也と初めてのキスを…