たろうくんに馬鹿にされた小3。
キーコキーコ
わたしは俊太と校庭でブランコに乗った。
いつもは勢いよくこいで
よく高さを競いあってたけど
その日のわたしは大きくこぐ気分じゃなかった。
俊太もわたしに合わせて小さくこいでた。
「……」
「う、うーひっく…」
大粒の涙が溢れて
揺れるブランコからの景色は
わたしの目には、
ぼやけて何も写ってなかった。
「そろそろ泣き止んでくれよぉ」
しばらくしたら
俊太がそう言ったのを覚えてる。
「うーだって…だってぇー
俊太の…ばかーうーうう…」
わたしったら
心配してくれる俊太に八つ当たりして。
「俊太のあほー」
俊太はきっと困った顔をしてたんだろうな。

