正門に行くと、俊太は
しゃがみこんで木の棒で
地面にお絵かきしていた。
お気楽…
「俊太ぁ
どういうつもりー?」
とわたしが声をかけると
うつむいていた俊太が
ぱっと顔をあげた。
「おせーよぉー
暑いな、もう夏だな」
そう言ってお絵かきの続き。
「え?俊太ってば」
わたしがちょっとちょっと
と肩をたたくと
俊太はニカッと笑って
「あのやろー!ぎゃふんと
言わせよう大作戦」
どや顔の俊太。
ん?なにその名前?
「……?」
「……
…おいっ!なんで無言なんだよ」
わたしの反応が
予想していたものと違ったのか
俊太は唇をとがらせた。
「もっと、こう…うーん、もっと
なんていうか、興味…もてよなぁ
もっと……」
一人でぶつぶつ言っている。
なんだか可哀想。
わたしはしゃがんでる俊太の隣に
しゃがみこんで
「俊太、俊太!
ごめんね?大作戦って、なにするの?」
わたしは俊太の肩を
よしよししながら謝った。
すると俊太は
シュタッと立ち上がって
「まぁ、とりあえず
行きますかぁ!」
元気にそう言って
わたしの手をとった。
「え?どこに?」
「まぁ、着いてこい!」
「どこ行くの!?
授業中なのにぃー!」
そんなわたしに構わず
手をぐいぐい引っ張って
先を歩く俊太にそう叫びつつ、
わたしは内心わくわくしていた。

