「だって…だってだって…」

俊太に強がりがばれて

わたしの目から
またぶわっと涙が溢れた。


「しょうがねぇな、ほら」


俊太はそう言って手を広げた。


「つらいよー」


わたしは俊太の胸に
しがみついて
またわんわん泣いた。



「なな?
お前はいい女だよ」


うん…


「大丈夫、
また新しい恋が出来るよ」

うん…


俊太はゆっくり
わたしの髪に指を通しながら
優しくわたしに語りかける。



「ずっと味方だから。
何があっても
ななは一人じゃないからな」



小3のあの日。

みんなにからかわれるわたしを
校庭に連れ出したのは俊太。

わたしの気が済むまで
一緒にブランコに乗ってくれた。


あの日も、
味方だよって言ってくれて。

今と違うのは
その頃はまだ

声変わりのしていない
高い声だったってことだけで、

俊太は昔も今も変わらず優しい。

本当にわたしの大事な幼なじみ。