高校入学とともに
新聞配達のバイトしながら
一人暮らしを始めた俊太。

親元を離れて
早く大人になりたいから
らしい。


相変わらず狭くて
散らかった部屋。



ソファーに座ったわたしに
「何か飲む?」

と俊太が声をかけた。



「いらない」

わたしが首を横に振って
応えたけど


「めっちゃ泣いただろ?
ほら、飲んどけ」


俊太はわたしの前に
お茶の入ったコップを置いた。


うん…

無言でこくんと頷くわたし。


俊太はわたしの隣に
あぐらをかいて座って
自分の分のお茶を飲む。




「泣いてここに来るの
何回目かなぁ。

えーっと
あの時と、あの時…


はぁ…
わたしが好きになる人
なんでいっつも…


でももう慣れちゃったよ。
今日のことなんて
まだ、ましな方ってかんじだよ?」

わたしは元気に
笑ったつもりだったけど。


「お前な…
強がってんじゃねぇよ。
慣れるわけないだろうが」

俊太は優しく
わたしの頭に手をのせた。