昔も今も…ななside…
「たろうくん好きです!」
「ははは…ぼくが森下さんのこと
好きなわけないじゃん」
小学校3年生の時の記憶。
初めての告白。
場所は
確か廊下の隅っこ。
天気は確か晴れ。
確かわたしは前の日みた
ドラマの影響で
告白を決意した気がする。
記憶はあいまいだけど
たろうくんのあの時の顔だけは
はっきり覚えてる。
意地悪に微笑んだ顔。
ケラケラ笑ったたろうくんは
その後たたーっと駆け出して
クラスに戻って
「みんなきいてよ!
泣き虫で地味な森下ななが
ぼくのこと好きなんだってぇー」
わたしを馬鹿にするように
みんなに言いふらした。
「ええー?ほんとー?」
廊下にたたずむわたしの耳に
みんなの騒ぐ声が聞こえた。
わたしは真っ赤になって
ただ目にいっぱい涙をためてた。