私の顔を見たその人は、

安心したように微笑み、

私をもう一度、

ベッドに寝かせた。


「・・・あの」


「過労で倒れたんですよ」

「・・・え?」

「それに、高熱まで・・・

無理しすぎなんじゃありませんか?」


「・・・」

黙り込んだ私を見た先生。


「私は、あなたの主治医で、

迫田 孝明と言います」


・・・・あれ。

なんで、

私の手を握ってるの?

私は驚きながら、

握られた手を、見つめた。


「手、熱いですね・・・

顔は・・・?」

私の顔にそっと手を当てた。

・・・

心なしか、

体温が一度上がった気がする。