「すみません」

オレの問いかけに、

女性が振り返った。


「・・・何か?」


「大崎美晴さんの友人とか」


「・・・ええ」

怪訝そうな顔をした女性。


「あ、すみません・・・

私、迫田孝明と言いまして、

美晴さんの主治医をしています」


オレの説明に、

ようやく合点がいったのか、

女性は満面の笑みを見せた。


「そうなんですか。

いつも、美晴がお世話になっています。

私、友人の、佐伯 奈津美と言います」


そう言って頭を下げた。


「あの、プライベートな事なんですが、

美晴さんの過去の恋愛について・・・」


そこまで言うと、

最初は少し驚いていたが、

思い立ったたように、笑い出した。