「え?」


「医者は、孝明の転職でしょ?」

「でも、美晴も今の仕事」

「私には夢がいっぱいあるの。

今の仕事は、その一つ。

でも・・・

他の仕事でも、

やりたいことはあったから。

ここでも、その仕事なら、

出来るから」


・・・

涙を拭って、

笑って見せた美晴。

「それで後悔しないのか?」

「うん、しないよ?

・・・

今度は、私が孝明の傍にいる番」


・・・

そう言った美晴の顔は、

とても綺麗だった。

・・・

今まで見たことないくらい、

強くなった顔。

「…美晴」