紙を置いた手を見て、

オレの思考は停止した。

・・・

腕に光るブレスレット。

指輪はまだ早いし、

ネックレスじゃありきたり、

そう思ったオレが、

美晴にあげたブレスレットと

同じものだったから。

・・・

オレの返事も聞かず、

行こうとする彼女の肩を掴んだ。

・・・


「その腕のブレスレット」

「・・・」

「オレが大事な人にあげたものと、

同じなんだけど・・・」

「・・・」

「美晴なんだろ?」

・・・

そう言って、

オレは、彼女のかぶっていた帽子を、

そっと取り上げた。

・・・

彼女は、やはり・・・