「孝明先生、南、

お使いの途中だから、

もう行くね?」


「あ、うん、ありがとう」

オレがお礼を言うと、

・・・

彼女はまた南ちゃんを引っ張り、

小さな声で、

お礼を言ったようだ。

「いいよ。ところでさ、

お姉ちゃん、綺麗な顔してるのに、

何で帽子かぶってるの?

取ればいいのに」

南ちゃんの言葉に、

首を振って拒否していた。

・・・

南ちゃんが出ていき、

オレは仕事にもどった。

・・・

仕事をしていると、

さっきまで寝ていた彼女が、

オレの横に、

スッと紙を一枚置いた。

『ありがとう。

もう大丈夫だから、

行きます』