「もう!じれったいわね!

ほら、今度の土曜、

島行きの船のチケット」


なかなか答えは出さないだろうと思って、

私の為に用意してくれたチケット。


「・・奈津美」

私はチケットを握りしめた。


「会って、

ちゃんとけじめつけてきなさい!

ダメだったら、私の胸くらい、

貸してあげるからさ?

孝明さんと付き合ってた頃の美晴は、

本当に幸せそうだった。

あの頃に戻りたいでしょ?」



「・・・うん」


「よし!じゃあ行って来い!」


「色々ありがとう、奈津美」

私は奈津美に胸に飛び込んだ。

「はいはい、本当に

手のかかる子なんだから」

奈津美は私の頭をポンポンと

優しく叩いた。