・・・

美晴に笑顔が戻って嬉しくて、

オレは、美晴の顔を、

両手で包んだ。

「美晴が笑った」

「・・なに、それ?」

そう言って、不思議そうな

顔をした美晴。

・・・

オレは微笑んで、

「もう、

笑ってくれないんじゃないかと思って

気が気じゃなかった」

・・・

「私・・・

何度も、何度も、

孝明の名前を呼んだんだよ?

助けてもらいたくて…

そしたら本当に来てくれて、

いつもの優しくて温かな

孝明の体温が私を包んでくれて、

救われた・・・」


「…美晴」


「プロポーズまでしてくれて、

今死んでも、悔いはないかも」