・・・

オレは、

孝明に笑って見せ、

怯えている美晴のおでこに、

当てつけのようにキスをした。

・・・

「・・頼む。

美晴を傷つけないでくれ」

・・・

孝明の必死な顔、

・・少し、優越感。

「誰が傷つけたって?

オレがこの子に触れて、

なぜいけない?

お前だって触れてるだろ?」

・・・

「そんな簡単なものじゃない。

やっと修復した美晴の

『心の傷』を、えぐらないでほしいって

言ってるんだ」

・・・

『心の傷』?

・・・

オレの手は、ピタリと止まった。

・・・

オレは、

美晴の顔を、

もう一度凝視した。