「ですが」

「孝明先生の待合室、

一杯になってましたよ。

『大事な彼女』は、

ちゃんとタクシーに乗せますから」


「え?」

次の言葉を発しようとしたら、

美晴を連れて、

行ってしまった。

・・・

谷口先生は、

オレと美晴の関係を、

知ってる・・・

・・・

オレの美晴に対する態度を見てれば、

気づいてる人間もいるだろうが、

救急の時も、

谷口先生はいなかったはず・・・

じゃあ、なぜ知ってる?

・・・

仕事中、

そんな事ばかり考えていた。