「はい、じゃあ今度は背中」

「あ、はい」

先生に背中を向けると、

聴診器を背中に当てられた。

・・・

「孝明先生は優しくしてくれますか?」

「?!」

突然の質問に、

体がビクッと反応した。

・・・

この先生は、

孝明と私の関係を知ってる?

・・・

誰も知らないんじゃないの?

・・・

聴診器を外されたので、

恐る恐る前に向き直った。

「何で知ってるんだって顔ですね」

「・・・」

「この前、ほらその手のケガ。

その時の孝明先生の態度、

誰が見ても一目瞭然」

・・・

「他の人は・・」

「他の看護師たちも、

薄々は気づいてるんじゃないですか?」