・・・

朝、目が覚めると、

孝明の姿がない事に気付いた。

起き上がった私はリビングに向かった。

・・・

そこにも孝明の姿がない。

・・・

その代わり、

キッチンから、

イイ匂いが漂ってきた。

・・・

匂いに誘われて、

キッチンに向かうと、

孝明が朝食を作っていた。


「おはよ」

私に気付いた孝明が、

笑顔で言った。


「おはよ・・・

もうケガは治ったんだから、

私が作るのに」

そう言って横に立つと、

「早く目が覚めたから・・

そうだ。これからも、

先に起きた方が作ればいいんじゃない?

家事はオレも嫌いじゃないし、

負担は半分こ」