五分で恋におちました。

「もう、優花遅～い。」


冗談ぽく膨れて言う美紗。


そんな美紗の姿を見たら急に緊張の糸が切れたみたいだ。


「美紗～。」


私は美紗に抱きつき嗚咽をもらしながら泣いた。


そんな私に困惑しながらも一生懸命なだめてくれる美紗。


「さぁ～、どういうことなのか全部説明してもらいますからね。」


美紗には隠していられない……。


私はこの前美紗の家からの帰りに襲われた事、助けてくれた男の人が忘れられなくて苦しい事、さっき偶然会ってフィアンセの存在を知った事…。全てを隠さずに話した。


驚きながらも私の話しを最後まで聞いてくれた美紗。


「優花ごめんね、私のせいで恐い思いさせ……。」


今にも泣き出してしまいそうな美紗。


「美紗のせいじゃないから…。そのことは気にしないで、ねっ。」


あのことを美紗のせいなんて一度だって思ったことがなかった。


「優花…ありがとう。優花はずっと浩介君一筋だったからちょっとぐらい他の男にときめいたって許されるって。」


ちょっとぐらいか…。


浩介を忘れてしまうぐらいときめいていてしまっている私は許されるのだろうか……。