せめてこの人の名前が知りたい…。
「あっ…あの私、横井優花っていいます。もしよろしかったら名前…」
勇気を振り絞って出した声が携帯の音によって消された。
「ちょっとすみません。」
私に背を向け電話に出る彼。
手を伸ばせば触れる距離にいるのにものすごく遠い存在…。
「……うん、分かってるってすぐ行くから。何か買って行って欲しいものあるか?」
あれ…この会話ってもしかして……。」
甘い声で会話をする彼になぜだか物凄く不安になった。
「……了解。今から行くから待ってろよ。」
電話を切りこっちを向く彼。
私は悲しみを顔に出さないようにニッコリと笑って彼に気になってしかたない質問をぶつけてみた。
「今の電話彼女ですか?」
「彼女っていうか…僕のフィアンセです。」
フィアンセ……。
彼女からだとは思っていたけどフィアンセなんて…。
「急いでる時に呼び止めてしまってすみません。フィアンセさんが待ってるんですよね?行ってあげて下さい。」
「それじゃぁ…気をつけて帰って下さいね。」
彼の姿がどんどん小さくなっていく……。
結局私は名前すら聞くことができなかった……。
「あっ…あの私、横井優花っていいます。もしよろしかったら名前…」
勇気を振り絞って出した声が携帯の音によって消された。
「ちょっとすみません。」
私に背を向け電話に出る彼。
手を伸ばせば触れる距離にいるのにものすごく遠い存在…。
「……うん、分かってるってすぐ行くから。何か買って行って欲しいものあるか?」
あれ…この会話ってもしかして……。」
甘い声で会話をする彼になぜだか物凄く不安になった。
「……了解。今から行くから待ってろよ。」
電話を切りこっちを向く彼。
私は悲しみを顔に出さないようにニッコリと笑って彼に気になってしかたない質問をぶつけてみた。
「今の電話彼女ですか?」
「彼女っていうか…僕のフィアンセです。」
フィアンセ……。
彼女からだとは思っていたけどフィアンセなんて…。
「急いでる時に呼び止めてしまってすみません。フィアンセさんが待ってるんですよね?行ってあげて下さい。」
「それじゃぁ…気をつけて帰って下さいね。」
彼の姿がどんどん小さくなっていく……。
結局私は名前すら聞くことができなかった……。

