五分で恋におちました。

「……井さん、横井さん！」


「え？っ……す、すみません、何でしょうか？」


「あなた最近変よ。真面目に仕事する気あるの？」


「………すみません。」


私は最近変らしい。


そのせいで今日私は美紗に呼び出されている。


待ち合わせ場所は私には忘れることができないあの場所。


あの日あの人と行ったファミレス…。


今日は上司につかまってしまい帰りが遅くなったため急いで待ち合わせ場所へと向かっていた。


急いでいるはずなのに私はある人物とすれ違って足を止めた。


「うそ……。」


私の目に写ったのは……。


あの日私を助けてくれたあの人だ。


彼は私に気づいてないのか…それとも忘れてしまったのか……。


もしくは気づいていても無視しているのかもしれない……。


色々考えているうちにどんどん遠ざかって行ってしまう彼。


ここでこのまま立ち止まっていたらもう二度と彼に会うことはないかもしれない……。


私は気がつくと彼の方に向かって走っていた。