五分で恋におちました。

忘れられない………。


私はあの日以来家にいても会社にいても助けてくれたあの人のことばかり考えている。


「………花、優花?」


「っ……ごめん浩介何だった?」


私ってば浩介とデートしているのに……。


「ごめん久々のデートだからって優花のこと連れ回しすぎたな。疲れただろ?そろそろ帰るか。」


ぎゅっと私の手を包み込む温かくて大きな手。


私はこの大きな手が大事だ。


他の男のことを考えていた私の事を本気で心配してくれている。


優しい浩介………大好きな浩介。


あの人の事は早く忘れないと………。


「俺の部屋でゆっくりするか?」


「うん。」


私は浩介の腕にぎゅっと抱きついた。


浩介が好き浩介が好き浩介が好き。


私は自分に言い聞かせた。


なのに………。


「優花愛してる。」


浩介のベッドの上で私にキスをして服のボタンに手をかける浩介。


「………っ待って。」


ボタンを触られた瞬間襲われたことと同時に助けてくれたあの人のことが頭に浮かんだ。


「優花どうした?体調悪いか?それとも嫌か?」


「ううん……ごめんちょっと久しぶりで恥ずかしかっただけ………。」


「優花、かわいい。」


私は最低だ。


浩介とベッドの上で


違う男のことを考えていた………。