私は自然と振り返り、後ろの人物を確認した。

ぇ?ヒロ!?な、なんでここに!?

「俺はもっといい子だと思ってたのになー」

そこにヒロのいつもの優しい笑顔は無くて、獲物をねらっているような鋭い目をしていた。

「ふられたからって、俺の女に八つ当たりしてんじゃねーよ!!」

ヒロの怒鳴り声がトイレに響いた。
彼女はもう泣きそうになっていた。

「俺は、相手が女だろうと関係ねーから。もう二度とこーゆーくだらねーことすんな!!」

私が怒られているわけではないのに、ヒロの大きな声にびっくりして自分が怒られている
ようなかんじがした。