はいどれんじあ

風のことなんて気にとめる気なんて更々無い。あんな奴とっととこの家からいなくなればいいのに。朝食なんてものに興味もわかず機会のように食事を入れていく。こんな広い部屋でひとりぽつんと静かに食事をとることを私の両親は気に止めたことがあるのだろうか。
「あーあ案外つまんないものだわ。」
ぼそっとつぶやき、場を後にした。

学校についても人付き合いが嫌いな私に友達と呼べる人もいなく静かに読書をしている…はずだった。
「おはよう。」
あいつの声がする。身震いが同時に私を支配した。じょじょに整わなくなっていく呼吸。これは…少し大変かもしれない。目に涙をためやっとのことで言葉をかえした。
「おは…よう…ご…ざいま…す。風さん…。」
がんばってその一言とは情けないだろう。だが、しかたない。相手は男なのだから。
目をそらし俯きながら私は言う。風さんは
「えぇ、おはよう。」
と二度目の挨拶をした。私は前髪の間から風さんをのぞきこむ。と、そこには笑ったままの風さんがいた。
なんで笑顔でいれるのかがわからない。私に対しての嫌がらせに決まってる。なおしてくれるなんて嘘だし、いままでなおったことがないのだから。