はいどれんじあ

そのころの私は少女漫画につけ込んでいたりもしたから恋愛には少しばかり興味があった。

実行委員のやることなんてたいしたことなくて、肝試しの仕掛け人やらその前の話をする人だった。後もろもろ。私は喋るのが上手じゃないため比較的簡単な仕掛け人にした。彼は別の配役だったけれど同じ空間にいるだけで幸せだった。

野外活動当日。

特に変なことも起きず私の出番である肝試しへと時間がすぎていく。私の役はよくまぁテレビからにゅーなあの人っぽい誰かさん。
じょじょに暗くなり、月明かりのみが場を照らす、そんな、"らしい"会場が出来ていく。
実行委員が話し出す。彼らが紡ぎ出す言葉は嘘か誠か。そんなのははっきりいって、どうでもいい!私は怖いのが大嫌いだ。耳を手で塞いでまわりの話をシャットダウンしていると、なぜか温もりを感じた。
彼だった。
私が
「なんでここにいるの?」
と聞くと、
「かわってもらった。」
と答えた。
そんな会話をしていると泣き声が聞こえてきた。一人また一人と聞こえてくる。
もちろん私もその中の一人。
実行委員メンバー女子が全員泣き、肝試しは中止になった。