「…やって? 七夜に司♪
おまえら美男美女やし、ほんま付き合うてみたら?
…あぁ…。
七夜と司がお互いのあんな部分にそんな行為やりあうの想像したらぁ……うち、めっちゃ萌えてくるわぁ…」
後半、表情に比例した、わざとらしい淫靡な声を漏らし、明らかに俺たちを煽っている夏樹。
ご丁寧にも、両頬を両手で押さえ、照れを表現した小憎たらしい仕草まで付け加える始末。
「…なっ!!
ど、どっちが美女だよ!?
…ていうか両方とも男だよ気持ち悪い!
それに『あんないやらしい部分』ってどこだよっ!?
『そんないやらしい行為』ってなんだよっ、気持ち悪いっ、気持ち悪いっ…!」
…対して、さらに顔を真っ赤にして怒る司。
…はは。
…こんな必死に否定するだなんて、よっぽど心外だったんだねぇ司きゅん…。
…てゆうかなんかしらんけど、そこまで力いっぱい否定されるとめっちゃ凹むわぁ…。
…そして『いやらしい』なんて誰も一言も言ってないわぁ…。
……などというハートフルなひと悶着があったおかげで、翔太たちのことなんて、俺の中でもすっかりどうでもよくなっていた。
かわりに、これだけ変なトークで盛り上がってる最中、一言も声を発していない裕也が気になりだした。
…裕也、あんまりな話しの内容についていけないのかな…?
…それともまた、翔太たちの(会話の)ことを気にして…?
裕也のほうに視線を向ける。

