黒の森と、赤の……。/ ■恋愛シミュレーションゲーム□

◆苦笑いをつくり、質問に対して正直に答えた。


「ごめんごめん夏樹。
だけど俺に彼女なんていないの、夏樹だって知ってるだろ?
お前や司や裕也と、いつも一緒にいるんだし」

「そやかてそんなんわからへんやん?
それにおまえ、“ 彼女は ” おれへんゆうたけど、“ 彼氏は ” おれへんゆうてへんね♪」


からかうようなにやけ顔で、そんなふざけた切り返しをしてくる夏樹。

俺がわざと吐きそうな表情をつくって返事を返そうとすると、その前に司が口を開いていた。


「なに言ってんだよ夏樹!
だいたい『司や裕也くんといつも一緒にいる』…なんて七夜が言った後にそんな変なこと言ったら、オレや裕也くんにまで変な疑いがかかっちゃうだろ!?」


司のほうを見れば、怒ったような顔で夏樹を睨んでいる。


「そうよこのチビっ子!(黙れ)
吉良や白川なんてどーでもいーけど、司くんがそんな変態趣味に走る訳ないじゃないこのチビっ子!(小)
それにもし万が一司くんに変な噂たったら、どーしてくれんのよこのチビっ子!(学)
もうひとつおまけにこのチビっ子!(生)」


司本人よりも断然破壊力のある援護射撃をする小町屋に対し、委員長が笑顔で反論する。


「そう?
でも私は、もし仁科くんと吉良くんがお付き合いしてたら、すごくドキドキするんだけど?」



「「「…はっ!?」」」


思わず声を合わせる俺と司と小町屋。


…俺の中での委員長のイメージが、どんどんと崩れてくんですけれども…。orz


半ば呆気に取られる俺たち三人を尻目に、夏樹はニヤニヤとしたいやらしい笑みを浮かべながら、俺と司のほうに目線を流す。