そんな、こっちにとってはため息をつきたくなるような展開にも当然気づきはせず、


「おわ!? なんや小町屋っ!?
それに司も七夜も、みんなどしたん?」


さっそく、眠気眼で寝ぼけを披露してくれる夏樹。


…まあ、こっちが勝手に来たんだから無理もないけど…。


その寝ぼけに対し、小町屋が怒ったように口を開く。


「『おわ!?』ってなによ!『おわ!?』って!
せっかくあたし達が白川のわがまま聞いて、わざわざこんなとこまで遊びにきてやっ…」


うはっ!

こいつ自ら嘘ついといて自らネタバレかよ!


「…じゃなくてっ!!

夏樹の調子が悪そうだったから、様子を見に来たんだよ、はは♪
ははははは…」


…慌てて小町屋の声に自分の声を被せる俺。

そして左隣りにいる司のわき腹を、委員長から見えない角度で肘でつつく。


「…そ、そうなんだよ夏樹♪
さ、さっきはちょっとだるそうだったけど、もう大丈夫?」


結果司も俺に合わせる。

さすが司GJ!(グッジョブ!)


そして2人で必死に、夏樹へと目で合図を送る。

『俺たちに合わせろ!』

と。


しかし。


「はぁ? なにゆうてんおまえら?
うち、今日は朝からめっちゃ元気やて、お昼ん時ゆうたよな?
…それになに2人して変な目でうちのこと見とんのや、やらしい!」



……。orz


…成り行きを知らない夏樹には仕方ないよな…。


そんな空気の読めない夏樹に対し、


「何よ! みんなが一生懸命ウソついてるのに!
あんたも綾ちん騙すために協力しなさいよこのちびっ子!(怒)」


……だめだこいつ…早く何とかしないと……。