黒の森と、赤の……。/ ■恋愛シミュレーションゲーム□

しかし対する良雄は、そんな俺の緊迫感など意にも介していない。

躊躇など一切することなく、左足を勢いよく、大きく一歩踏み込む。

それと同時に、俺だけに聞こえるくらいの小声で言う。


「…攻撃を避けた挙げ句、そのうえ反撃まで成立するとぉ……まさか俺相手に、本気でそう思っているのか?」


…大きな苛立ちと小さな期待が入り混じったような、複雑な声。


…くっ…!

…良雄の奴、まさか俺の行動を読んでる…?


冷静に考えれば、相手の攻撃を待つ以上、勝つためには必然的にカウンターを狙わなければならず、良雄の予測は至極当たり前のものだった。

だがそんなことを呑気に考察している暇など、今の俺にあるはずもない。


結論に至る前に、眼前まで迫った良雄が、微かに右肘を引いたのが見えた。

それはおそらく、何らかの攻撃の予備動作……つまり、


──くるっ!!


俺は良雄の初撃を……


【選択】

A:左手による攻撃だと予測した。
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B:右手による攻撃だと予測した。
→【74】

C:右足による攻撃だと予測した。
→【224】