── 「笹原さん!!」 廊下を歩いていると、聞き覚えのある声に呼び止められた。 「追いついたー」 可愛らしい笑顔で息を切らしているのは矢野だ。 最近遭遇率が高い。 「どうしたの、そんな慌てて追いかけて」 怪訝な顔をして見ると、照れたように笑いながら、ちょっとねー、とポケットに手を入れる。 そのまま階段を下りて、駐輪場の前。 「矢野くん、あっちじゃないの?」