「ストパーとかもかけてないよね?
髪すごい綺麗だなって、前から思ってた」
何気なく発せられた一言に引っかかる。
「前からって、階段から落ちたとき?」
「いや」
即座に否定されて、記憶をたどる。
それより前に接点なんてあったかな……。
「ずっと同じクラスなんだから当たり前じゃない?」
ニコッと笑う矢野。
あぁ、なんだ。
自分が忘れていたのなら悪いと思ったけれど、矢野にとってはクラスメイトはみんな友達だから当たり前だったのだ。
ほとんど接点のなかった自分をそんなふうに覚えていたなんて、やっぱりクラスの中心にいる人は違うな、なんて。

