「うん、帰るよ」

「そう、じゃあ気ーつけて」

野々宮が裕に軽く手を上げる。

「じゃ、またな」

シートを手早く片付け、野々宮に軽く手を上げ返して自転車の方に歩き出す裕。

恵も二人に会釈をして、裕を追いかけた。


すぐに追いついて裕に並ぶと、裕はさり気なく歩幅を恵に合わせる。

「今日ラッキーだったよ、ほんと」

雲一つ無いし、いっぱい流れたし、と裕が言う。